かえる291の読書日誌

本好き、コーヒー好き、妄想好きなかえるの読書の足跡

「教科書で出会った名詩一〇〇」  ~口ずさんでみませんか?~

 出かけるときは、たいていカバンの中に、本を忍ばせている。

 電車に乗っているとき、待ち合わせ時間、病院の待合室で…ちょっとしたすき間時間に眺められるように。

 

 「でも、あんまり今日は、活字を読む気分じゃないなぁ。」

 そんな時の、最近のお供がこの本。

新潮ことばの扉 教科書で出会った名詩一〇〇 (新潮文庫)

新潮ことばの扉 教科書で出会った名詩一〇〇 (新潮文庫)

 

 出張の際、移動の車中で読む本がなくなって、ふらりと入った駅の本屋さんで見つけた本。

  普段だったら、詩の本に目が行くことは、まずない。

 ふと、手に取ったのは、やっぱり疲れていたのだろうか?

 

 パラパラとめくってみたら、懐かしい詩がたくさん。

 宮沢賢治  「雨ニモマケズ

 萩原朔太郎 「旅上」

 高見順   「われは草なり」   etc.

 1950年代から2010年代までの、小学校、中学校、高等学校の国語の教科書に収録されていたものから100作品を選んだものだから、たいていの人は、懐かしい詩に出会えるはず。

 

 昨日は、お天気の良い河原の土手に座って、適当にページをめくってみた。

出てきたのは丸山薫の「未来へ」。(以下、その一部分)

 

 ・・・・・・・

 父が語つた 

 かうして夜の明けるまで

 昨日の悔ひの一つ一つを撃ち殺して

 時間のやうに明日へ走るのさ

 やがて太陽が昇る路の行く手に

 未来の街はかがやいて現れる

 御覧 

 丘の空がもう白みかかつてゐる

 

 素敵だ。

 何度も心の中で反芻する。

 

 学生の頃、授業中に先生の詩の説明を聞いても、いつもぴんとこなくて、私って詩の才能ないわ、と思っていた。でも、年齢を重ねて分かったのは、詩は感じるものということ。感じ方は、ひとそれぞれだし、先生だって教えるの大変だっただろうな、と今は思う。 

 

 気に入った詩を、ノートに書き写してみる。

 声に出して読んでみる。

 そうすると、また、新たな発見が。 

 

 あなたも、声に出して読んでみませんか?

 

 では、また次回。ごきげんよう。