「教科書で出会った名詩一〇〇」 ~口ずさんでみませんか?~
出かけるときは、たいていカバンの中に、本を忍ばせている。
電車に乗っているとき、待ち合わせ時間、病院の待合室で…ちょっとしたすき間時間に眺められるように。
「でも、あんまり今日は、活字を読む気分じゃないなぁ。」
そんな時の、最近のお供がこの本。
出張の際、移動の車中で読む本がなくなって、ふらりと入った駅の本屋さんで見つけた本。
普段だったら、詩の本に目が行くことは、まずない。
ふと、手に取ったのは、やっぱり疲れていたのだろうか?
パラパラとめくってみたら、懐かしい詩がたくさん。
萩原朔太郎 「旅上」
高見順 「われは草なり」 etc.
1950年代から2010年代までの、小学校、中学校、高等学校の国語の教科書に収録されていたものから100作品を選んだものだから、たいていの人は、懐かしい詩に出会えるはず。
昨日は、お天気の良い河原の土手に座って、適当にページをめくってみた。
出てきたのは丸山薫の「未来へ」。(以下、その一部分)
・・・・・・・
父が語つた
かうして夜の明けるまで
昨日の悔ひの一つ一つを撃ち殺して
時間のやうに明日へ走るのさ
やがて太陽が昇る路の行く手に
未来の街はかがやいて現れる
御覧
丘の空がもう白みかかつてゐる
素敵だ。
何度も心の中で反芻する。
学生の頃、授業中に先生の詩の説明を聞いても、いつもぴんとこなくて、私って詩の才能ないわ、と思っていた。でも、年齢を重ねて分かったのは、詩は感じるものということ。感じ方は、ひとそれぞれだし、先生だって教えるの大変だっただろうな、と今は思う。
気に入った詩を、ノートに書き写してみる。
声に出して読んでみる。
そうすると、また、新たな発見が。
あなたも、声に出して読んでみませんか?
では、また次回。ごきげんよう。