かえる291の読書日誌

本好き、コーヒー好き、妄想好きなかえるの読書の足跡

「新しい道徳  『いいことをすると気持ちがいい』のはなぜか」                  ~他人任せにするな。自分の頭で考えろ!!~

 

 先日から電子書籍を利用するようになった。

 電子書籍には、定期的にバーゲンがあるそうだ(知らなかった)。

 利用している電子書籍のストアで、バーゲンが始まっていたのでのぞいてみたところ、本書が激安価格となっていたので(なんと税込み259円!)、持っていたクーポンを使って59円で購入。 

 

 本音を言うと、興味本位で購入した本。

 でも、読後に、そんな自分が恥ずかしくなった。

 現在の道徳教育の矛盾点を鋭く突き、あるべき道徳の姿を自身の言葉で率直に問うている。

 

道徳は便宜の異名である。

「左側通行」と似たものである。

 

道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。

道徳の与える損害は完全なる良心の麻痺である。

 

良心は道徳を造るかも知れぬ。

しかし道徳は未だ嘗て、

良心の良の字も造ったことはない。

 

       芥川龍之介侏儒の言葉」より

 

 

 まず、表紙をめくって驚いた。

 今、まさに「侏儒の言葉」を読んでいるところだったから(電子書籍で無料購入)。

 

  読んでいて一番はっとさせられたのは、「道徳は、時代によって、また人や立場によって変わるものだから、一律に押し付けられるものではない」「道徳は自分で作る。そして、どんな道徳であっても、自分の決めた道徳はきっちり守る」という視点。

 自分の道徳を作るには、自分の頭で考え、自分の心で判断できることが必要になる。今、教育ですべきことは、結局そういうことなんじゃないか、と著者は語りかける。

 

そのためには、まず大人が自分の頭で考えることだ。

道徳を他人まかせにしちゃいけない。

それがいいたくて、この本を書いた。

あとは自分で考えてほしい。

  

  なんだか、すごいバトンを、ひょいっと著者から渡されてしまった気分。

 しかも、けっこう緊急を要する内容。

 「最近、モラルが低下している!」「なんで、ルールを守れないんだろう?」ぶつくさ文句を言っている場合ではない。

 

 私の道徳(決め事、最低限守るべきルール)って、なんだろう?

 妄想してみよう・・・。

 

 では、また次回。ごきげんよう。