「成功するシニアビジネスの教科書ー『超高齢社会』をビジネスチャンスにする”技術”」 ~キーワードはExcited Engaged Encouraged~
「年寄りが元気な街は、きっと元気な街だ」と常々思っている。
年寄りが元気に働いて税金を納めれば、医療費の節約になるし税収も増えるし、経済が活性化するに違いない(←とても短絡的な発想)。
でも、私の住む田舎では、年寄りが働き続けられる環境なんてあるんだろうか?(…どうもなさそう)。
自分も働きたくなるようなビジネスを作っちゃえば、老後が楽しいかも(←いつもの妄想)。
というわけで、こんな本を読んでみた。
成功するシニアビジネスの教科書 「超高齢社会」をビジネスチャンスにする“技術"
- 作者: 村田裕之
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書は、シニアを対象とするビジネス を始めようとしている人、あるいはすでに始めている人を対象に、実践的ですぐに役立つビジネス上の秘訣が体系的にまとめられている。
一般に「シニア」と一括りにされているが、その層は50代後半から90代以上まで非常に幅広く、実は多様な価値観を持つミクロ市場の集合体。まずは、ターゲットを正しくとらえることが必要と著者は説く。
・シニアは他の年齢層より資産は多いが所得は少なく、消費は所得に比例する傾向がある
・シニアは3K不安(健康不安、経済不安、孤独不安)が強く、いざという時のために倹約志向が強い
・シニアの消費行動のきっかけとなるのは「年齢」ではなく、肉体や家族、ライフステージ等の「変化」
・シニア市場は「女性主導市場」である
ターゲットを正しくとらえられていないために、うまくいっていないシニアビジネスも多いらしい。相手が喜ぶツボを押さえていなければ、お財布のひもが固いシニアの心をとらえるのは難しいだろう。
では、こうしたシニアの消費心理を踏まえ、どうやって商品提案を行うか?
・・・シニアの資産を消費に促すには、「漠然とした将来への不安」の解消につながる価値の提案が必要です。別の言い方では、資産を使ってでも「必要だと思わせる説得力」「お金では買えないもの(健康・時間・楽しさ・喜び等)を手に入れたいという気持ちに働きかけること」などが重要と言えます。
著者は、その答えとして「解放型消費」の喚起を訴える。
解放型消費とは、自己解放を促す精神のエネルギーをきっかけとする消費。「もう長くないんだし、自分のやりたいことをやろう」といった心理的な変化によってもたらされる消費ということらしい。
その際のキーワードが
Excited わくわくすること いきいきすること
Engaged 当事者になること 関与すること
Encouraged 勇気づけられること 元気になること
このツボを押さえていれば、シニアは進んでお金を払う。(ex. JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」の高額ツアー、クラブツーリズムの「エコースタッフ」、オリンピック選手の関連グッズ)
ワクワクして、自らかかわって、元気になる。
ここらへんは、シニアに限らず、あらゆる世代にとって大事なこと。
でも、退職や子育て・親の介護といった大仕事を終え、ライフステージの変化を迎えたシニアにとっては、その意味の深さがずいぶん違うのだろう。特に、自身の死が視界に入ってきた年代にとっては。
まだまだ、シニアに対する理解不足を痛感。
理解を深めるべく、身近なところで元気なシニアウォッチングしてみることにしよう。
では、また次回。ごきげんよう。