「シニアシフトの衝撃‐超高齢社会をビジネスチャンスに変える方法‐」 ~超高齢社会が見せる未来図~
妄想「シニアビジネスを作っちゃおう」第2弾。
先日に引き続き、村田裕之さんの本を読んでみた。
同じ著者による本なので、述べられている内容は、ほぼ同じ。
本書で見つけた新たな視点は、以下の2点。
- 非合理の中に商機あり
- 豊かな高齢者社会とは、高齢者だけが豊かになる社会ではない
1.は、シニア市場では一見「非合理」に見えることが、 顧客の心をつかんで長期的に業績を上げ、結果として合理的なビジネスとなる例が多いというもの。
具体例としてダイシン百貨店が挙げられている。
コンビニ等で利用されているPOSシステムは、売れ筋以外の“死に筋”、つまり売れない商品を適時に入れ替えることで店舗効率を図っている。
これに対しダイシン百貨店は、顧客が欲しいと言ったものは、たった1個からでもすべて取り寄せ、継続して店頭に並べる。シニア層に人気の漬物に至っては200種類以上の品ぞろえ。ほかの店では買えない、ハエ取り紙や汲み取り式トイレのフタまであるという。
こうして店の信頼感が上がり、顧客はリピート客として定着。
シニア層が繰り返し来店するのは、売れ筋商品を買うためではなく、他店にはない、そこにしかない商品を買いに来るのが目的なのだ。
2.は、“高齢者と若者とが協働作業を通じて 知恵を共有”するというもの。
・・・豊かな高齢社会とは、高齢者と若者という異なる世代が互いに仲よく、協調し、双方の世代の関係性が豊かになっていく社会なのだ。
ここで例として挙げられているのが、アメリカ・ロサンゼルス在住の94歳のバーバラ・クーパーさんによる「Ask Grandma Anything(おばあちゃんの人生相談)」。ネット上に寄せられる様々な相談にバーバラおばあちゃんが動画で答えるというもの。どんな相談にもユーモアを交えて優しく答えるバーバラおばあちゃんの動画に、世界中から若者から継続してアクセスしているらしい。
おばあちゃんの知恵を動画に収めてネットで伝えているのは、彼女の2人の孫娘。孫娘のサポートがあったからこそ、おばあちゃんの知恵が世界中に伝わったのだ。
こうした協働作業が可能となった背景には、アメリカでの産業の空洞化、景気の低迷等による若年層の所得水準の低下で、多世代世帯が増えている現状がある。2世代、3世代同居といったかつての大家族への回帰現象は、日本だけに限ったことではないようだ。
でも、大家族への回帰で家族のつながりが増えるなら、それは素敵なことだ。
年齢が上がるにつれ、異なる世代とつながる機会は減っていくが、シニアにとってこそ、様々な世代との交流は大切なのではないか。
そこをビジネスにできたらいいなぁ…
妄想は止まらない。
では、また次回。ごきげんよう。