「‐誰でも論理的に話せる‐ロジカル・コミュニケーション」 ~日本人の話がわかりにくい理由~
私は極度のあがり症だ。
人前で話しているうちに、思考が混乱し、自分でも何を話しているのかわからなくなってしまうのが悩み。
“誰でも論理的に話せる”のタイトルに「本当か?」と突っ込みをいれつつ、こちらの本を読んでみた。
結論から言うと、本書を読んでも、すぐに論理的に話せるようにはなりません(残念…)。
でも、よく言われる“日本人の話は分かりにくい”理由については、新しい気づきがあった。
「欧米人の話が論理的でわかりやすい」のに対し、「日本人の話がわかりにくい」のは「コミュニケーション能力の優劣の問題」というよりは、「文化的な違い」だという考え方だ。
日本人は、人と人が互いに理解しあう上で必要な「言語」「知識」「体験」「価値観」「ロジック」といったコミュニケーションの「共有基盤」を濃密に共有している。このため、言葉によるコミュニケーション(言語情報)が多くなくても意思疎通できる。「あ・うんの呼吸」が成立するというわけだ。
ただし、こうした意思疎通が成立するのは、基盤を共有する日本人どうしに限られる。海外や、国内でも異文化を背景とする人とコミュニケーションを図る場合には通用しない。
国際社会で求められるスキルは語学力ではなく“コミュニケーション力”であり、それは「伝え・聞くスキル」と「コミュニケーションを取ろうとする熱意・エネルギー」だと著者は言及する。
具体的には、「伝え・聞くスキル」として「話の設計図」を書いて「情報の構造整理」をする方法が紹介されている。
情報を大きなかたまりにに分けてラベル付けし(情報の構造整理)、話を始める前に「話の設計図」を示し内容を予告するというやり方。
- 「私の話のポイントは○つあります。」
- 「私の話のポイントは○○と△△と××です。」
このように最初に示すことで、相手は全体像を把握し、これから話される内容を予想できるというもの。
「日本語の弱点を正しく知り、これを改善する工夫をしよう」というのが今日のまとめ。
私のあがり症克服の道のりは、まだ遠い。
では、また次回。ごきげんよう。